楽器を購入する時に知っていた方が良い事:価格
みなさん、どうも!
6月になり、多くの学校で対面授業や部活動が再開されてるようです!
私も、本当に少しですが音楽の仕事が来るようになりました!
嬉しい!!!
そんなわけで、新入生はこれから吹奏楽部に入り楽器パートが決まるわけですが、最近は個人持ち楽器を購入する場合が多いようですね!
私が教えている学校でも、学校の備品を使わせてくれる(使える状態の楽器があれば)場合と購入するよう指示があるなど学校により様々です。
学校から「このモデルを買ってください」と指示がある場合は選ぶ手間がかからないのである意味楽かもしれませんが、そのような場合に指定されるのは間違いなく高価な楽器でしょう・・・。
「トランペットってこんなに高いの!?」
「もっと安いやつじゃダメですか?」
「値段の違いで何がそんなに変わるの?」
などなど色々と疑問があると思いますので、今回は楽器を購入する時に知っておいた方が良い事について書いていきます!
●価格帯
はい!
そこのお母さま!
ズバリお値段が気になりますよね(笑)
トランペットは安い物でしたら1万円、プロが愛用するもので30~40万円程の幅があります。(100万円越えもありますね・・・)
では、何故そんない値段の差があるのか!
それは制作コストです!
ざっくりですが安い楽器はコストダウンのためにパーツやデザインが簡略化されていたりします。高い楽器はその逆で素材やデザイン・ハンドメイドパーツなどを使用した高性能な楽器になります。
・1~4万円程度の楽器
ハッキリ言って論外です(笑)
この価格帯の楽器は台湾や中国などアジア圏で安価に作られたものがほとんどですが、まともに楽器として組めていない個体がとても多いと思います。
これまで、何本か所有した事もありますし、生徒さんが使っていたなどでそれなりの本数を見てきましたが、「楽器」と呼べるものは本当に少なかったです。
私の考える楽器とは「演奏表現が出来る道具」です。
安価なアジア製楽器では見た目はちゃんとトランペットですが、ピストンの動きが悪い・精度が悪い・抜き差し管が動きずらい・擦り合わせが乱暴・楽器の組付けが悪く全体的なフォルムが歪んでいる・・・などなど沢山ありました。
本当に趣味としてトランペットを吹いてみたい・触ってみたいという方には良いかもしれませんが、吹奏楽やジャズなどの「音楽」を演奏表現したいと思うならば間違いなく買い替える事になるでしょう!!!
更に、故障や事故で破損した場合、大手メーカーのようなパーツ供給が無い事が多いので修理内容によっては修理を断られるなんて事も・・・
場合によっては楽器の購入価格よりも高い修理費になる事も有ります。
作りが悪ければ音色や音程もそうです。YAMAHAのスタンダードモデルと比べるまでもなくアカンです!
・5~15万円程の楽器
この辺から「楽器」です!
YAMAHAならスタンダードモデル(昔はスチューデントモデル)と呼ばれるモデルの価格帯です。
いわゆる初級モデルです。
この価格帯だと、アジア製楽器も日本に輸入されてから調整されて販売されたり、工場に大手メーカーの技術者が技術指導をしているなんて事もあるようで品質管理がしっかりされている印象があります。
この価格帯はローコストで良い物を!と言うコストパフォーマンスを重視したモデルが多いように感じます。
・15~30万円の楽器
さぁ!
ここからが大変な所(笑)
いわゆる中上級モデルと言えば良いでしょうか。
プロも愛用するモデルもあったりします!
この価格帯から、細かい仕様違いによるモデルの細分化や上級モデルにも引けを取らないようなハイパフォーマンスなモデルも出てきます!
操作性や音色のバランスが良く初心者にも安心してお勧め出来るモデルが多いです!
個人的には、この辺のモデルを最初の楽器にしておくと、楽器面での苦労と言うのは少なくなるでしょう!
YAMAHAならYTR-850。BachならVincentモデルなど。
・30万円以上の楽器
この価格帯はまず間違いありません!
代表格はYAMAHAのXENOシリーズYTR-8335・Bachの180シリーズ180ML37/25などなど。物によっては40万を超えますが、ここまでくると奏者の好みと相性です(笑)
職人の手作業による楽器制作部分が増えたり、パーツ制作や細かいデザインにもこだわった作りは勿論、音色や吹奏感もトランペットのスタンダードです!
位置付けは上級モデルですが、私の考えでは初級から上級と言うのは・・・
上級モデル:トランペットの基本的設計を充実させた物。
中上級モデル:上級モデルベースの場合はパーツなどのコストダウン化、初級モデルベースならパーツなどのコストアップ化された物。
例えばYTR-850は、YTR-8335やYTR-4335と見比べると間違いなくYTR-4335寄りの設計です。細かいパーツで見るとYTR-8335に使用されているパーツもあり、これは初級モデルベースのアップグレード版と言えるでしょう。
BachのVincentモデルはほぼ180MLと共通のパーツで組まれており、いくつかのパーツを取り払いコストダウンをした物と認識できます。ベルはVincent用の設計で支柱の一本化とストッパーロッドの無しなど。ピストンケーシング周りや抜き差し管の主要パーツは180シリーズと同じですね。
初級モデル:楽器としての吹きやすさ・扱いやすさと価格面のバランスを上級楽器に比べてローコストで設計された物。
こう考えてみると、手に取りやすいのは初級中級モデルですが上級モデルを最初に購入するのも有りです!
勿論、値段帯だけで何を買うかは決められません!
次回は楽器の音色に大きく影響する表面仕上げについて説明します!