アッパーベルトランペット組みました
今日は趣味の話。
僕の趣味の1つとして、「ジャンク楽器の改造」があります( ^ω^ )
キッカケは、何年か前にライブのホーンセクションを演奏するのに手頃な楽器が欲しいなーと。
当時のメイン楽器がBachのアルティザンAB190GPでライブに持っていくには値段的(70万近い)にも安全的(盗難等)に嫌だったのです。
それで手頃にかつ扱いが楽な楽器を探していたところ、YAMAHAの古いスチューデントモデルが目に入りました。
なんと、カスタムすればプロモデル並みになるかもしれないとの事で…!!
早速、中古でYTR-233(YAMAHA初代スチューデントモデルの1つ)を入手し、リペアマンに改造を依頼。
結果、凄く感触が良かったのでスチューデントモデルの改造にハマってしまいました(^◇^;)
そして、いちいちリペアで改造していたら経費がエグいので自分でやるように…(笑)
最初はまる焦げにしたり、演奏に使える状態にならなかったりと色々ありましたが、経験値を積んである程度出来るようになりました。
そして今回改造するのはコレ!
YTR-2320E
現行でいうYTR-2330系列の楽器で91~98年頃に販売されていたモデルです。
実は同じ楽器を既に持っています(笑)
だいぶ見た目が違いますが、元は同じ楽器です!!!
この楽器は、私の初めてのトランペットで中学生の頃に使っていましたが、前述の通り改造に目覚めた私は、ある程度のハンダ付け技術に自信がついた頃に改造をやってしまいました!
ぱっと見は「YTR-8340EM」俗に言うエリック・ミヤシロモデルみたいになってます(笑)
上:YTR-8340EM
下:YTR-2320E改
なぜ既に持っている楽器を再度購入したかは、このモデルの特徴にあります。
私がこのモデルが他のスチューデントモデルよりも優れていると思う点はココ!!
MPレシーバーが洋白材なんですね!
基本的にMPレシーバーは真鍮材がほとんどなのですが、私の知る限り
・モデル番号三ケタ台のプロモデルからカスタムモデル(YTR-632など)
※一部例外有り(YTR-637など)
四ケタだと
・YTR-2320、YTR-2320E、YTR-3325、YTR-4325、初期型YTR-8335(一本支柱)
※特殊管は分かりません・・・
このMPレシーバーが洋白材なだけで吹奏感が大分違うと思っています。
振動伝達は硬度が高く軽い金属になるほど振動効率があがる(はず!)ので、銅と亜鉛の合金である真鍮と銅と亜鉛とニッケルの合金である洋白では、ニッケルが入っている分硬度が高いのです。
この洋白材がレシーバーについている事により、音のレスポンスが良いのが他の楽器と違う所でしょう。
実際、上級グレードの楽器は真鍮と洋白のコンビネーションで組まれている物が圧倒的に多いです。
ただ、全て真鍮材で揃えている楽器もあります。
結局は、設計のバランスと言う事でしょう。
前置きが長くなりましたが・・・
今回は、このYTR-2320Eをアッパーベルに改造します!!!!!
なんとベルはもうあります(笑)
以前、YTR-332を改造してアッパーベルを作ったのですが、本体の調子が悪くベルだけ取っておいた物です。
このベルはレッドブラスと言う、銅の割合が高い真鍮材です。
通常の真鍮材、俗に言うイエローブラスよりも音の密度が高く艶っぽい音色が特徴です。他にも、暖かみのある音色・落ち着いた音色など感じ方が様々です。
今回の2320Eのベルには、特に問題は無いのですが同じ仕様の楽器が二台あっても面白くないので、このアッパーベルを装着します!
まずは洗浄!
若く見積もっても20年以上前の楽器なので汚れと錆が(笑)
酸洗浄でキレイにします!
お次は、ベルを外して・・・
装着!!
そして、主管をリバースシステムに改造!
これを、こう!
YTR-6310ZやYTR-8310・YTR-8340EMのように主管をリバースシステムに改造しました。
これにより、リードパイプが延長され、より安定した息の流れとストレスの無い吹奏感を生み出します。(この加工、地味に難しいんです・・・)
そして、アッパーベルとマウスパイプをつなぐ延べ座を曲げてあーだこーだしてハンダ付け!
この延べ座の加工が本当に大変で・・・
管体にストレスがかかるような曲げで付けてしまうと、そこで振動伝達が止まってしまい鳴りにくい楽器になります。
リバースシステムにすると、嫌でも延べ座を後ろに動かさないといけないのですが、今回はベルが曲がってますから三次元的に曲げないといけません・・・。
以前は、延べ座をカットして真鍮パイプで繋いでましたが、やはり1ピースの方が良いのは当たり前ですね。
指掛けをNIKKANのTR232から取った削り出しタイプに交換。
そして、一番管にYTR-8340EMのリングフックを装着しスライド調整!
と、思ったら全然調整が上手くいかない・・・!!!
なんと、外管・内管共に反っていました・・・これはスムーズに動くはずないですね。
ジャンク楽器達からパーツを拝借して加工して交換!(今回、これが一番大変だった)
ストレスなく動くようになりました!
私は一番管を多用するタイプなので、ここの動きが悪いとストレスが溜まる一方で・・・。
これで大掛かりな改造は終わり!
(今度、三番管の指掛けを交換します)
では、各部のセッティングを弄っていきましょう!
まずはピストン周辺パーツですね。
・ピストンボタン・トップキャップ・ボトムキャップはXENOシリーズ用の物に交換。これだけで相当変わります。
・ピストンスプリングをYAMAHA純正のステンレススプリングに交換。ピストン動作が軽くなり吹奏感も軽くなります。
・ステムをBUZZの洋白材に交換。本当は真鍮材が良いけど余りがこれしかなくて(笑)
・ガイドをプラスチックから真鍮材に。
・フェルト類を天然コルクに交換。
ウォーターキー周辺パーツ
・主管、三番管共に初代・第二世代XENOに使われていた真鍮材ウォーターキーに交換。
・バネをYAMAHAのロータリーTPのHiCキーに使用されている物に交換。
・ネジをYTR-8340EMの大きいタイプに交換。
・コルクが無いので今だけゴム(笑)
三番管ストッパーをYTR-8340EMのえぐりタイプのGPに交換。
完成!
ここまでやると、スチューデントモデルとは別物です(笑)
ん~~~、吹きやすい!!
ベルが違うのもあり、もう一台の2320Eとは違ったキャラクターに仕上がりましたが本体パーツは基本一緒なので吹奏感に大きな違いは無く感触は大変良好でした!
リバース主管をいくつか持っているので、吹奏感や音色を手軽に変える事も可能です。
コロナが収まったらビッグバンドとかで使ってみたいですね~!
長くなりましたが今回はこれで終わり!
最後までありがとうございました!