プラクティスミュートの使い方!
皆さん、どうも!
今回は、前回の「オープンで吹けない場合」の記事の続きですね!
トランペットをある程度続けている方なら大体は持ってると思われる「プラクティスミュート」。
この写真は私自作の特許取得済みミュート。
お持ちの方は、このプラクティスミュート、使い辛いと感じた事はありませんか???
○プラクティスミュートとは?
大変消音性能の高いミュートで、その名の通り(プラクティス=練習)演奏ではなく練習に特化したミュートです。
プラクティスミュートを使用すれば、大きい音が出せない自宅・ホテル等の室内や本番前のステージ袖などで音出しが可能なんですね!
大体、テレビで丁度良いと思う音量程度と思って頂けたらイメージしやすいかと思います。(メーカー・モデルによって違いがあります)
ここまで読むと、プラクティスミュートって凄く便利そうですよね!
では肝心の吹き心地はどうなのでしょうか…?
結論から言えば
「オープンと比べたら吹きにくい」
です((((;゚Д゚)))))))
便利な物には裏があるんですね(笑)
では、何故プラクティスミュートが吹きにくいと感じるか!
息抜けの穴がこれしか空いていない!!!
プラクティスミュートはYAMAHAやBest Brassのサイレントブラス以外は分かりやすく息抜けの穴が空いている物が殆どですが、大体6~8mm程度の穴しか空いてないんですね(°_°)
管楽器を演奏するのに必ず必要になる「空気抵抗」と言うのがあります。
トランペットは、金属製の管から出来ており部分的に内径に変化があります。分かりやすいのは、マウスピースのスロートでしょう!
息が最初に通る場所ですが、小さいですね~(笑)
ここからマウスパイプのチューニング管の辺りまでテーパー(内径が徐々に広くなっていく)がかかっていて息の入り方が変わっていくんですね。
試しにマウスピースに沢山の息を吹き込もうとしてみてください。
息が通りきらずに口の中に溜まってしまいますよね。
これは「空気抵抗」が強い状態です。管が太くなるほど抵抗は弱くなります。
トランペットはこの管の内径や構造による空気抵抗と体内の空気圧のバランスで音を出しています!
プラクティスミュートを装着すると、出口が狭くなってしまうので抵抗感がオープン時と大きく変わってしまいます。
そうなると、オープン時と吹き心地が違うのは当たり前ですね…
演奏に使うストレートミュート等もベルを塞ぐ形になりますから、吹き心地が変わります!
ですが、上手く吹くコツがあるんです!!
これはプラクティスミュートも同じようにコツがあるんですね!
このコツを知っているか知らないかでプラクティスミュートの有効性が段違いです!
プラクティスミュートで練習するコツ
①吹き過ぎない。
プラクティスミュートの特性として消音性能が高い事から無意識のうちに吹き過ぎてしまっている事があります。
オープンに比べて音がとても小さくなりますから、耳から入ってくる音量感覚と吹いている感覚が噛み合わないんですね。
先ずはオープン時のmp位の音量感覚で吹いてみましょう!
すぐに疲れてしまうような吹き方だと、吹きすぎ・力み過ぎの可能性がありますね!
②音程のクセを見極める!
ストレートミュートなんかは、装着すると音程が上ずり(高く)ます。
演奏で使用するミュートも音程に変化が出ますからプラクティスミュートでも音程の変化があるのは当然とも言えますね。
メーカー・モデルによってクセは変わりますが、私の体感では低音域は高く、高音域は低くなるプラクティスミュートが多いと思います。
モノによっては非常に音程バランスが良いミュートもあります。
使用するミュートによっては、主管(チューニング管)の抜き幅をオープン時よりも抜き目にしてバランスを整える場合もあります。
③目的を設定する。
これはオープン時でも同じですね!
ただプラクティスミュートを使っているという事を念頭に置いて目的を設定しなければなりません。
例えば、ミュートをした状態でハイトーンのトレーニングはどれくらい効果があるのか???
効果が無いとは言いませんが悪影響が出る可能性が非常に高いです・・・!!
ハイトーンの出し方や理屈が分かっている上級者は感覚である適度正解が分かるので大丈夫かもしれませんが、初級中級者では感覚が出来ていない場合が多い為、悪いクセがつく可能性が高いと思います。
オープン時に上手く吹けない練習はプラクティスミュート使用時は避けるべきでしょう。
ではプラクティスミュートを使ってどんな練習が出来るのか。
基本的な練習で充分と思います。
・中音域でのロングトーン
・スケール、半音階
・音域に無理のない範囲での曲練習
プラクティスミュートを使って新しい練習をすると言うよりも、音が出せない環境で上記のようなこれまで培ってきた基礎能力の減退を抑える為に使うのが正しいと思います。
やはり生の音色・響き・吹奏感に勝るものはありません!
プラクティスミュートを使用する時は自分の中で線引きをしておきましょう!
オンラインレッスンで上記のようなプラクティスミュートのレッスンも可能です!
是非、ご検討ください。